2021年3月18日

理事長、学長、薫風会会長メッセージ−令和2年度学位授与式−

※当日の式典模様は、近日中にホームページに公開します。

令和2年度 九州産業大学造形短期大学部学位授与式

【学長告辞 小田部 黃太】

 九州産業大学造形短期大学部の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 本日ここに116名の皆さんが「短期大学士(芸術)」の学位を取得し、巣立って行かれることになりました。皆さんは第五二回目の卒業生です。

 さて、皆さんは二年次において、コロナ禍の影響で必ずしも思い通りに学生生活を送ることができない状況を経験しました。しかし、その困難な状況の中で感染対策に取り組み、対面授業を中心としてしっかりと学び、困難を克服し、卒業制作では例年に決して劣ることの無い、素晴らしい作品を完成させました。そのことに自信を持って、次のステップでも、それぞれの課題に取り組み、着実に歩を進めていっていただきたいと思います。

 今日の社会は、大きな変革期を迎えています。コロナ禍の影響ももう少し続くと考えざるを得ません。コロナ後の社会が取り沙汰されるように、コロナはその変化に加速度を加えていくと考えられています。その変化していく社会で、多くの仕事がAIやロボットに取って代わられていくとしても、皆さんが短大で身につけた「創造力・生み出す力」そして「表現力・発信する力」は決してAIやロボットには代替できない力です。

 未来の社会で、働き方も変わってゆき、時間的な自由度が増してくれば、人々にとって「人生の目的」や「生きがい」といったことが、その重要性を増してくると考えられます。まさに、皆さんが身につけた「創造力・生み出す力」そして「表現力・発進する力」が社会に求められるのです。それが、心豊かな人々の暮らしを形作る、原動力になっていかなければなりません。今後は様々な社会の局面で皆さんがその能力を生かし、活躍する社会になっていくのです。

 これからの社会がその姿を変えてゆき、それが明るい未来なのか、あるいは様々な課題が現れて来る様になるのか、未来を予測することは容易なことではありません。しかし大切なことは、皆さんにどのような未来が訪れるのか、では無く、皆さんがどのような未来を作ってゆくのかということだと思います。未来の世界を形作っていくのはあなた方自身なのです。

 皆さんが身につけた「創造力」と「表現力」を武器に、自分自身の未来を、そして社会の未来を切り開いていっていただきたい。少し風呂敷を広げすぎたかもしれませんが、私は本気でそう考えています。具体的にお話しすれば、皆さんの目の前のひとつひとつの仕事や取り組みに、創造的に前向きに、少しでも自分自身にとって、そして社会にとってよい方向性を意識して取り組んでいくということです。皆さんが取り組めば、それが必ず明るい未来につながっていきます。ぜひ、それを心に持って前に進んでいってください。また、困難に直面したときにも思い出していただきたい。私からのお願いです。

 結びに動画配信でご覧になっておられます保護者、ご家族の皆様、卒業生や大学を支えていただいている様々な関係者の皆様に心から感謝を申し上げ、卒業生の皆さんのご健康とご活躍、そしてその揚々たる未来を心からお祈りし、卒業をお祝いする言葉といたします。

 

【理事長挨拶  津上 賢治】

 ご卒業おめでとうございます。

 これまで、学業や研究に真摯に取り組まれ、学位を授与された卒業生の皆さんにお祝いを申し上げるとともに、卒業生を支えてこられたご家族をはじめ、関係者の方々に心から敬意を表します。

 皆さんはこれまで小中高で卒業を経験されたと思いますが、大学の卒業は人生の最も大きな節目です。それはインプットの人生からアウトプットの人生への転換の大きな一歩の日だからです。皆さんはこれまで、学生として新しい知識や技術を吸収することに努力されてこられましたが、これからは結果を出すことが求められます。もちろん、知識や技術の修得はこれからも大切ですが、社会人として求められるものは、単なる知識の修得だけではなく、それをベースとした新たな提案などのアウトプットです。

 皆さんが歩みだす社会は、大きな変化を遂げようとしています。5G、AI、デジタルトランスフォーメーション、地方分散型社会、テレワークなど、これまでゆっくりと進んでいた様々な変革が、新型コロナウイルス感染症の流行もあり、一気に加速し、社会経済活動全体が急激に変わっています。

 このような変革の時代こそ、社会は若い人たちの豊かな感性とクリエイティブな発想を求めています。台湾政府は35歳のオードリー・タン氏を担当閣僚に起用し、コロナ封じ込めに成功しました。また、環境保護に取り組む団体・政治家は16歳のグレタ・トゥーンベリさんの言葉に耳を傾けています。

 新しい時代は、また真のボーダレスでもあります。インターネットの世界では空間的な距離は全く関係ありません。言葉や文化、習慣が異なる様々な人たちといつでも直接コミュニケーションをとることが当たり前の時代です。

 その中でアウトプットを出すためには、多様性に対する理解が大切です。自分の常識や考え方にとらわれず「世の中には違う考え方の人もいる。」という事実を受け入れる柔軟性を養ってください。私はベルギーや香港、米国での生活を通じて多様な人たちと一緒に働くことの重要性を身をもって経験しましたが、これからの時代は日本で仕事をする上でも大切なことだと思います。

 豊かな感性と柔軟さを持ち、社会にアウトプットし続ける社会人として成長し続けてください。

 皆さんのこれからの人生が、実り多きものであることを心から祈念し、エールを送ります。

【同窓会薫風会会長挨拶 松岡 順子】

祝 辞

 卒業生の皆様、ご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。

 造形短期大学部同窓会を代表して一言お祝いを述べさせていただきます。

 私たち同窓会は卒業生の皆様をお仲間としてお迎えできることを大変嬉しく思っています。皆さんはこれから同窓会の新しい会員となります。同窓会は発足して53年、会員数は52期生を新会員にお迎えし会員数は約10,800名となります。全国の校友が様々な分野でユニークな仕事をし、新しい時代を切り開く大きな存在となっています。皆さんも、大いに活躍されるでしょう。

 新会員の皆様には機関紙「薫風」にて同窓会総会・懇親会のご案内と活動のお知らせをお送りいたします。同窓会には様々な分野において第一線で活躍する優秀なクリエーターも属しております。 積極的に同窓会にご参加いただき交流していただきたいと思います。

 卒業生の皆様の造形短期大学部での最後の年がどんな一年であったか振り返ってみると、新型コロナウイルス感染症の大流行という、忘れられない年となりました。

 オンライン授業から始まり、日ごろの成果を発表する香椎祭も史上初のオンライン香椎祭となり、

 「いつもと様子がおかしい祭 with SDGs」というテーマで、新型コロナウイルスや九州豪雨により社会全体が暗くなっている中、社会に少しでも元気を、そしてこの状況も前向きに楽しめるようにと願いを込めて開催された一生忘れられない想い出深い一年になったのではないでしょうか。

 造形短期大学部で学んだ多くのことを糧として、皆さんには明日からの新しいステージでの輝く 未来が待っています。大きな可能性と夢に向かってスタートさせてください。夢を諦めないで続けてください。

 大切だと思ったことは、こだわり続けてください。それは、皆さんがそれぞれ好きなことの中に あるはずです。造形短期大学部の卒業生だからこそ、選べる道だと思います。芸術は人の心に寄り 添えるものということをぜひ忘れないで思い出してください。美しいものは人の心を和ませ不安を 打ち消す力があると思うからです。

 皆さまのご活躍を心よりお祈りしています。これからの晴れやかな社会人としてのご成功を心からお祈り申し上げ本日のお祝いの言葉とさせていただきます。